阿蘇ラウンドトレイル2nd ゴールまで

nai

2018年05月21日 23:49






ついに栗城さんが亡くなってしまったようですね

現時点での発表は低体温だという事ですが
エベレストなんて言う極寒の地でなくとも恐ろしいですよね、低体温。

今回のART 終盤には低体温の危機に襲われました。

ほぼ計画通りに高森体育館のドロップバックポイントに
到着したのですが、正直結構疲労感いっぱいでした。

ここまでは走りやすいから脚を終わらせないように、という
注意をさんざん聞いていたのに..

実際高森峠エイドのテント内でリタイヤ申告の方が多かったです。






高森体育館で結構休憩時間を取ってリスタートし
高森峠を目指しましたが、足が攣りまくって散々でした。

動き続けていればそれなりに寒さは紛れるのですが
止まっていると寒いです。
そんな感じで脚がすぐにピクピクと攣りそうになるものだから
ちょっと進んで休んじゃ、また進み、なんてしているうちに
低体温気味になっており、頑張って高森峠エイドに到着し
テントに入って休憩したら、急に体がガタガタ震えだしてヤバイって...




体育館から高森峠までの区間は7.5kmしかありませんが、結構な登り区間でした。
(当然絶妙なアップダウン有り)
1時間50分かけて21:10到着予定でしたが、実際には
22:45到着と1時間以上余分に掛かってます。
ほんと7.5km~? そこまでヘロヘロだったか..
途中にいたマーシャルの方から聞いた残り距離とは
全然違ったと思う。


取り敢えずゆず蜜をホットで飲み、その他補給だけしたら
毛布にくるまり石油ストーブの前に座らせて頂きました。




その時点で廻りはリタイヤ申告者だらけ、次々にストーブにあたりにきて
次々にリタイヤを申告していきます。
自分は1時間ほどボケーっとさせていただき、復活を待ちました。
そんなに長時間、場所を占拠しご迷惑だったかと思いますし
リタイヤ申告が多いので結構葛藤もしておりました。

お陰様で何とか寒気は無くなり、リスタート 
次の清水峠へは10.7km 予定では2時間10分の行程です。


時刻は2:15ですから、高森峠から2時間半くらい?
ヘロヘロにしてはまあまあ..



ここでも暖かい飲み物を摂って、休憩。
震えることは無かったです。



この清水峠からラストの地蔵峠までの区間は12.9km  
直登の多い、アップダウンも多いどうしようもなくキツイ区間でした。

階段区間があり、手すりをつかまって登ってくださいとか
何とかブリーフィングで言っていたような(下り階段だったかな)

眠気もピークに来ていたと思います。
そして初めて幻覚を見ました。

何だか看板が見えてきましたよ。
なになに?
”ゴール近道” って

なんだよ、ゴール じゃなくて 近道って と一人笑いながら歩いていましたよ。
(もちろんそんな看板は有りません)

脳はもうやめたいと思っていたんでしょうね...



ここは地形図的にも4時間半をかける計画でした。

時刻的には順調に行ってれば 地蔵峠4:00到着予定でしたが
すでに遅れまくっていて、清水峠発が 2:30ころですから早くて7:00到着の予定です。

なんだか雨もパラついてきて、抜きつ抜かれつのグループの方は
雨が本格的になる前に俵山に行かないととんでもないことになると
急いでおられました。(地元の方なんでしょうね)

最後は付いていけなくなってしまいました。

地蔵峠の到着は明るくなってきた7:30
5時間掛かっています(・・・相当動けなくなっています)





ゴール制限時刻まで4時間半残してラストの区間は11.3km
俵山というラスボスは有るけど行けるかなと思ってゆっくりしていると、
エイドのスタッフからは早く出発した方が良いと、忠告してくれています。

多分この時間にここに居るランナーの実力からして
4.5時間あっても危ないと思ったのでしょう?

このエイドで、同じ静岡からエントリーしているMさんと再会
序盤でお会いして、先行させて頂き、高森峠あたりでは
1時間ほどボクが先行していましたが、ついに追いついてこられました。

雨が結構降っています。

俵山への登り区間も、足が攣ってばかりでMさんに先に行ってもらいました。
しかしこの区間..お助けロープがあるから良いようなもの
ズルズルだし、はしごで降ろされる場所有り、はしごを降りたら
崩落地を50mほどトラバースするのですが、長いロープが渡してありました。
風もあるし危ない区間でしたが前後にだれも居なくなってましたので
ユックリ慎重に進みましたよ。

そして登山しているとよく出くわしますが、風が吹きすさぶ荒涼とした鞍部、
やせ尾根を進むという風の方向が逆だったらかなり怖い区間がありました。
(崖側に風が吹いていたら怖かった)
天気が良ければ何でもないのかもしれませんが、トレイルランのコースにしては、
チト危なさを感じるほど


そして問題の俵山ピークからの下り...
大渋滞です。
雨も降ってるし風もあり、それこそ低体温が心配されました。
中にはエマージェンシーシートを取り出して羽織る方が何名も。

先行者の方が大会スタッフに状況の説明と、迂回路の指示等をケータイで仰いで
いました。
レースが一時中断となり、スタッフが上がってきて下りの補助を
してくれましたが、停止は1時間くらいあったかな。


その下った先でエスケープ路の指図をしてくれましたが、そのエスケープ路を行くと
リタイヤ扱いだという事です。

ええ~ 
ここまで頑張って、それは無いでしょ、危ないのにそういう判断ですか?と
質疑は有りましたが、寒くても危なくてもコース通りに進んでゴールすれば
制限時間は無関係に完走扱いする、という公式見解が現場にも届き
それに従うしかありません。

頑張ってコース通りに進みましょう。

ボロボロの脚にズルズルの泥濘下りは踏ん張りも効かず
ホント参りました。

いつの間にか女子2人+大会スタッフ&スイーパーに
追いつかれました。
ついに最後尾になりました。
十数名はエスケープしたみたいですね。

ここまで来たら一緒にゴールしましょうと元気づけてくれます。

そして頑張って小走りしていたら、先行していただいたMさんに
追いつきました。
もう歩きしかできないそうです。

その女子たちはFBで間接的に知り合いだったものが
レースで初めてお会いしたそうで、東京と埼玉の方。

ボクもMさんとは間接的に知ってはいてもレースで初めてお会いし
そんな偶然の男女ペアが一緒になってゴールを目指しました。
ちょこちょこお話ししながら、苦しかった割にはラストは楽しい時間でした。

ゴール前は少しでも走りたいから、ここは無理せず歩きも混ぜましょうと
ゆっくりと進みます。


そして会場が見えてくる坂の上で、いったん小休止、
どろんこ祭りでしたから、なりふり構わずここまで進んできましたが
ゴールでは写真もあるし奇麗にしませんか? とお色直しを提案しました。

自分はゴール用のSUIRENシャツに着替えたかった というのもあります。
女子たちは顔まで泥がいっぱいで、失礼ながら顔にも泥がすごいですよと
教えてあげました。


下の方に見えるゴール会場が段々と近づいてきますが
なかなか遠いです。

やがてアナウンスがかすかに聞こえだし、もう走るの嫌だけど頑張って
走り、ゴールの仕方も打ち合わせ済み(笑)





4人並んでゴールテープを持ち上げましょう と
(実際には先にゴールしていたMさんのペーサーも加えて5人になってますが)





制限時間の29時間をとうに過ぎ、30時間52分...
ゴールにはほとんど人はいませんでしたが、こんな時間までゴールテープを
持って頑張ってくれたスタッフ、ラストランナーを暖かく励ましながら
見守って頂いたスイーパーとスタッフ。。
本当に感謝でいっぱいです。

ゴールしたらカレーが待ってますよとペーサーに教えて頂いてからは
なんだか猛烈にお腹が空きだしており、完走証も受け取らずに
カレーを戴きに行ってしまいました




最後まで胃の調子は良かった、とは思いますが
途中のバテ具合は、補給が足らなかったとしか考えられないですよね..
クリームパンとかその他固形物をエイドで食べていたから
油断したか、ジェルがいっぱい余っていました。
バナナとか案外エネルギー持続力がないもので食べた気になっていたのは
大いに反省点です。。
完走はできたけど、前半飛ばしすぎ+補給不足=足攣りや心肺の苦しさに
繋がってしまった、悪いレースの典型でした。


さあ、宿へはどうやって帰りましょう?
ラストランナーでスタッフさんの同情も買っていた?のをいいことに
マイクロバスなどのレンタカー返却のついでに
宿まで送って頂けないか交渉し、快く送って頂きました。
雨降ってるし、もう歩くのも嫌だったので、すんごく助かりました。

運転の方は、昨年の第1回大会で、ソラシドエアの飛行機風船を
背負ってゴールされた方でした。
HPのプロモを何度も見たのでお顔に見覚えがありました。

九州の大会は良いでしょ~という事で、来年もぜひエントリーしてお会いしましょうと
お話してお別れしました。


宿へ戻ってゆっくりしたいところですが、汗と泥に汚れた衣類を
そのままにはできず、洗濯機を回して洗濯だけしました。
乾燥機は無いので濡れたまま乾かないけど致し方ありません。

シューズは新聞紙を貰って包んで少しでも水気を取りたかったし。

それらの作業を、全身の疲労感の中でこなし、洗濯機が回っている間に
お風呂入りますが、スローモーなので何するにしても時間がかかります。

お風呂では少しでもダメージを和らげたいと思い、
お湯-冷水-お湯、と交互浴

ゴール後にはお腹が空いてカレーを貪りましたが
宿の夕食では逆に食欲がなく、ビールもまずい...
せっかくのお料理も1/3ほど残してしまいました。



↑ ↑ 初日と同じ、左はあか牛の陶板焼き、右は豚しゃぶ、
ほかに出てないけど馬刺し・・・これは美味しかった。
天ぷらとかだご汁は頂けませんでしたし、炊き込みご飯は
一口だけ戴いて、残りはおにぎりにして頂き部屋へ持ち帰り。

同じ宿に後泊されたランナーと言葉を交わし

翌日のためにあらかたパッキングして、布団轢いてゴロンとなったら
電灯もテレビも付けたまま寝てしまっていました。

長いレースでした。



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